、飲み物だ」
「タオル」
「ラケット」
「ボールだ!」



「・・・遅い!」




只今シンデレラ?




ボールをとりにきたはいいけどすんごい数のボールがあって。
ちょっとたたいたら落ちてきそうなくらいだ。
どうやって持っていこうか…。


………………。


だああぁぁぁああああああ!もう駄目、イライラする…。
あたしは早く帰って、次のテストに向けての勉強しなきゃならないのに…

「何であたしがこんな事しなくちゃならないのよおぉぉおおお!」
「お前が負けたからだろ。」
「げっ!跡部!」

いつのまに!?

「…何か奴隷のあたしに用事ですか?」
「ボール持ってくるのが遅すぎるんだよ、バーカ」
「馬鹿だって!?こんなに沢山のボールを一人で持ってけって言うほうがおかしいわよ!」

そう言ってあたしは お約束のように 無意識のうちにボールの山をバンッと叩いた。
ぐらりと揺れるボールの山。
あたしに向かって落ちてくるボール達。




「キャアアアァァァッッ!!!!!!!!!!!!!!」




思わず目を瞑った。だが痛みを感じない。
おそるおそる目を開けると……

「あ、とべ」

うそ、あの俺様跡部が…あたしを庇ってくれた?

、大丈夫か?」

「え!?う、うん。」

だぁあああ、そのセクシーボイスで、耳元でささやくな馬鹿!
ていうか…近い!!!!!顔が近いです!!顔が!!!
何か悔しいけど、よく見るとやっぱり跡部って美形でかっこいいよね。
泣きぼくろとかセクシーだしさ…あたしなんかより色っぽく見えますが?

「人の顔じろじろ見て、俺様に惚れたか?」
「は!?うっ、自惚れんな馬鹿ッ!!」

前言撤回!!このナルシストめ!
少しでもかっこいいと思ったっあたしが馬…



ちゅっ



え?
「なっ!! ああああ、あ、ああ、跡部っ!!」

あたしは口元を押さえて混乱中。だって跡部があたしに……きっ、ききき、キスした!?

「スキだぜ?
「なっ!!」
「返事は勿論OKだよな?」
「…自惚れんな!!…バーカ。」
「あーん?返事はどうなんだよ?」
「あんたのこと、嫌いじゃない。」
「素直になれよな…」

そう言って、跡部はまたあたしの唇にキスをする。

後にあたしはテニス部の正式な女マネになり、跡部の彼女になりました




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2005.9.2    壬弥楜