1月1日。
新年の始まり。
おいしいもの食べたり、テレビを見たり。
ゆっくり我が家でゴロゴロして過ごす。
これぞお正月の過ごし方でしょう!




また新しくとの年




ピンポーンというチャイムの音が家中に鳴り響いて、 私はみかんの皮を剥くのを中断して玄関へと向かった。

「明けましておめでとーございます!」

ドアを開けると、そこには去年これでもかと言うほど見た後輩の顔があった。

「おめでとう藤代… で、朝っぱらから何の用かしら?」
「神社行きましょ!」

藤代の言葉に私は眉間にシワをよせた。だって唐突に神社って…

「初詣っすよ、初詣!」
「…外は寒いから嫌じゃボケ」
「何じじくさいこと言ってるんすか!」
「んなこと言ったって寒いもんは寒い」
「今日は元旦ですよ?初詣に行かないで何が新年だ」
「私の元旦は家でゴロゴロって決まってンの。」

そう言って私は大きな欠伸をした。 そんな私を藤代は不満そうな顔で見ている。 どうやら納得いかないらしい。

「だいたい神社って人多すぎ。」
「いいじゃないっすかー新年って感じで!行きましょうよー」

……なんと諦めの悪い。
何が新年だ。ごたごたしたなかで新年なんて私はごめんだよ…。

「他の人と行きな。 サッカー部の奴等とか」
「えー…むさ苦しいじゃないっすか」

その言葉、渋沢の奴に聞かせてやろうか。
まぁ、確かにむさ苦しいかもしれないが。

「とにかく!俺は先輩と行きたいの!」

キュン

……うわ、何だこいつ!
私と一緒に行きたいだなんて、ちょっと可愛いこと言っちゃって。

「とにかく行きましょーよ」
「だって寒いし…」
「手ぇつないだら暖かいですって」

ね!といって笑う藤代。可愛い奴。

「もー 仕方ないなー」
「やった!さすが先輩!」
「はいはい、準備してくるからちょっと待ってて」
「はーい」

藤代はニコニコしながら返事をした。
まったく、藤代には敵わないなぁ。

こいつのおかげで今年も賑やかになりそうだ。








−−− アトガキ −−−−−−−−−−−

藤代は物凄く可愛い奴だと思う。

2007.1.1     壬弥楜